今月のニュース診断
がん患者の性
斎藤 有紀子
1
1北里大学医学部医学原論研究部門 法哲学・生命倫理
pp.972-973
発行日 2002年12月25日
Published Date 2002/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902995
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幸せな性とは
2002年8月,『がん患者の〈幸せな性〉』という本が出版された。99年にアメリカで刊行された同書の邦訳である(アメリカがん協会編,高橋都・針間克己訳,春秋社)。
読者は,第1章「正常な性生活とは何だろう?」で,まず,「あなたとあなたのパートナーにとっての『正常』とは,2人が共に楽しむことのできるすべてのことです」というこの本の基本姿勢を知ることになる。続いて,がんになってセックスへの興味を失う人もいるが,それは不思議なことではないこと,一方で,「いい年をして」セックスへの関心を持ち続けていることも恥すかしがる必要はないこと,など,さまざまな読者が,この本を安心して手にとることのできる導入となっている。
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