今月のニュース診断
女性がん患者のリプロダクション—卵子凍結保存,代理出産の試みの中で
斎藤 有紀子
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1北里大学医学部医学原論研究部門 法哲学・生命倫理
pp.358-359
発行日 2002年5月25日
Published Date 2002/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902867
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卵子凍結保存の決意
3月21日,17歳の女性がん患者が,抗がん剤治療を受ける前に,自らの卵子を凍結保存して,将来の妊娠に備える試みが報じられた(NHK22時ニュース)。
女性は,がん治療に先立ち,生殖機能を失うことの説明を受けていたが,白血病で骨髄移植経験をもつ女性から,卵の凍結保存の技術があることを知らされ,「希望がみえた」という。技術を紹介した女性は,「自分も技術があれば使いたかった」「いまの時代の患者さんには,同じ思いをさせたくない」と,全国の患者の集まりで,技術を紹介し続けている。
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