連載 生殖補助医療—“技術”がもたらした現実と未来・3
AIDで生まれた子どもたちに出会って
春日 真人
1
1NHK番組制作局
pp.956-961
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902989
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はじめに
子どもが欲しいという切実な願いに応えて発達してきた生殖補助医療。人工授精や体外受精の過程で,夫婦以外の第三者から精子・卵子の提供を受けるケースも増えています。第三者を巻きこんだ妊娠・出産は,不妊に悩む人たちを救う一方,新しい立場の子どもたちを生み出しました。「遺伝上の親」と「育ての親」,両方を持つ子どもたちです。
今,その子どもたちが大人になり,社会に問いかけを始めています。生殖補助医療のなかで最も歴史のあるAID(非配偶者間人工授精)によって生まれた子どもたちが世界中でネットワークを作って情報交換をし,遺伝上の「父」,すなわち精子ドナーを探し始めているのです。
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