連載 生殖補助医療—“技術”がもたらした現実と未来・2
50年に及ぶAIDから見えてきたこと
久慈 直昭
1
,
田中 雄大
1
,
吉井 毅
1
,
浅田 弘法
1
,
橋場 剛士
1
,
末岡 浩
1
,
吉村 𣳾典
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.867-873
発行日 2002年10月25日
Published Date 2002/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902971
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AID(非配偶者間人工授精;Artificial Insemination with Donor's semen)は,現在わが国で認められている唯一の配偶子提供による不妊症治療法であり,昭和24年にわが国で初めてのAIDに由来する出産が報告されて以来,50年以上が経過していますり1)。
当教室ではAID実施にあたって,児出生後の家族関係を含め臨床研究を行なってきました。卵子や胚の提供の是非が議論されているいま,この治療をもう一度振り返ってみることは,これからのわが国の配偶子提供治療を考えるうえで必要であることは疑いがありません。そこで本稿では当教室で行なった臨床研究と,海外で行なわれた研究結果からAIDの現状と問題点を考えてみます。
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