特別寄稿
ダウン症児の親の会の活動趣旨と抱えている課題
辻 恵子
1
1慶應義塾大学看護医療学部
pp.595-600
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902914
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はじめに
生まれた子どもを家族の一員として生活のなかに迎え入れていく母親と,そのパートナーへの支援は,看護職,特に助産婦の大切な役割である。しかし,先天性障害をもつ児を出産した母親と家族への支援では,日々の子どもの養育方法や,起こりうる諸問題への対処方法,そして利用可能な社会資源など,具体的な情報提供は十分ではない1)ことが示されている。
また,障害をもつ子どもの母親が告知の際に診断名だけでなく,養育や療育に関する情報提供を希望していたとの報告2)がある。「障害をもつ子どもの親の会」はセルフヘルプ・グループとして位置づけられ3),障害児を養育する母親を支える要件として重要な役割を果たしており4〜6),親の会への参加が母親に大きな意味をもたらすとの報告7)も見られる。このように親の会は,専門職の支援とは異なる生きた情報を得られる場として機能しており,セルフケア能力をもつ集団として,現状で大きな力を持っていると思われる。
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