特集 スタンダードとしての母乳育児を科学的・効果的に援助するために(上)
母乳育児:退院後から1か月頃までのケア
瀬尾 智子
1
1山田産婦人科
pp.465-469
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902890
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はじめに
日本ではほとんどの女性が産科施設で出産し,産後数日を過ごしてから退院する。したがって専門スタッフの援助を受けながら,退院までの間に母乳育児の方法を習得してから帰ることができる。しかし,現在の日本の社会では母乳のみで生後数か月間赤ちゃんを育てている母親は未だ少数派であり,退院後の母乳育児を阻むものがたくさん存在する。それゆえ入院中に母乳育児ができていても,それを継続するためには適切な援助が欠かせない。
Academy of Breastfeeding Medicineという母乳育児を推進する医師の学会が出した「母乳育児をしている母と子の産科退院時に関する勧告(案)」には,「母乳育児の成功は,母乳育児を始めた,ということだけではなく,母乳育児期間,とりわけ完全母乳育児期間がどのくらいであったか,という長さで評価される」とある1)。
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