特集 もっともっと助産婦に
助産婦に優しくされて,人は赤ちゃんに優しくできる
熊手 麻紀子
1,2
1助産婦を応援する会
2くまでつうしん
pp.9-14
発行日 2002年1月25日
Published Date 2002/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902793
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2001年冬,私は全国各地のお母さん方から助産婦に対する思いを綴った作文を募集し,『だから日本に助産婦さんが必要です』という冊子を作りました。一人一人の原稿を読んだとき,改めて,「ああ,やっぱり助産婦ってすごい」と思いました。きめ細かい心のケア,五感が冴えわたっているかのような手技,家族を包み込む包容力,地域の女性たちのよりどころ,母のように尊くて,医療の枠を越えた日本の貴重な文化だと感じました。絶対に大事にされて繁栄しなければならない職業だと思います。
ケアを受ける人たちの願いはさまざまですが,たくさんの女性の気持ちに共通していることといえば,それは一つ,「できるかぎり優しくして」ということだと思います。裏を返せば,優しくないことはしてほしくありません。ただそれだけです。妊産婦さんとその家族と,そしてなにより赤ちゃんを,おびえさすような事はしてほしくありません。緊張も恐怖も孤独も不信感も一方的な対応もほしくありません。まちがった情報はもちろんいりません。
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