今月のニュース診断
「狂牛病」報道に思うこと
斎藤 有紀子
1
1北里大学医学部医学原論研究部門 法哲学・生命倫理
pp.1022-1023
発行日 2001年12月25日
Published Date 2001/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902774
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ウシ海綿状脳症
ウシ海綿状脳症(通称:狂牛病)が,この秋,大きな国内問題となっている。市場も大きく影響を受け,町の焼き肉店に「豚肉始めました」の貼り紙や,牛丼店に「チキンカレー」ののぼりが立ちはじめた。
ウシ海綿状脳症は,「プリオン」というタンパク質により神経がおかされ,牛が死にいたる病気である。ヨーロッパなどで広がり,病気にかかった牛の肉を食べた人にも感染するおそれがあると指摘されている。ヒトへの感染経路が,まだはっきりしないところもあり,日本では,1406品目の医薬品や化粧品も,汚染された可能性がある原料が使われていたとして,製造業者によって自主回収された(時事通信10月29日)。感染の疑いのある乳牛の焼却処分も報じられている(朝日9月11日)。
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