連載 とらうべ
日本の美しい助産に触れて
ステイシャ・バーザル
1
1米国・プリンストン大学
pp.841
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902734
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私は文化人類学専攻の学生として,日本の助産と出産を文化的・社会的な面から研究している。卒業論文を書くために,日本の助産婦さんたちの現在の仕事,昔のお産婆さんとのつながり,そして助産婦という職業が将来どのように変わっていくのか調べている。私は日本で生まれ育っているが,今通っているプリンストン大学を来年卒業後,アメリカで助産婦学校に行き,将来は助産婦になるつもりだ。今回,助産婦の研究のために日本を選んだ理由には個人的な動機もあった。
日本で初めて助産婦さんと出会ってお産に立ち会ったのは,東京の聖母病院だ。4時間も一人の産婦さんに付き添って,陣痛が強くなった頃から赤ちゃんが生まれる時まで,産婦さんの隣で助産婦さんの働きを見た。その若い助産婦さんはとても優しい手と言葉で,苦しんでいた産婦さんに力を与えながら,穏やかに支えていた。分娩室に入ったら,助産婦さんはかなり大きな赤ちゃんを上手に取り上げた。病院でも助産婦さんは,医療に組み込まれた産婦さんにも喜ばれるいいお産を体験できるようにしてくれるので,とても素晴らしいと思う。
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