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デベロプメンタルケアの実際
1)NIDCAP®(Neonatal Individualized Developmental Care Program)
NIDCAPは,まず児の状態およびストレスに対する反応を観察するところから始まる。すなわち,おむつを替えるなどの通常のケアや,採血などの処置の際に,児がsynactive modelの5つのサブシステムにおいて,どのように反応するかを観察し評価し,それを記載する。そして,それに基づいてその児にとってどのようなケアを提供するのが相応しいかを検討し行なうものである。具体的には各々の項目について,処置やケアの前後20分間,その最中,それが終わった後の20分間行なうものであり,1回ごとの作業はなんと1時間半から3時間にも及ぶものなのである。
このような観察の結果に基づき,次のようなステップで実際のケアを行なう。①児の発達に適した環境に整える(alteration of environment)。例としては,光や音のレベルをその児に相応しいレベルに変えるなどである。②児が気持ちよくできる姿勢を可能にする(positioning aids)。たとえば,保育器の中に後に述べるネスティングのセットを作ってあげるなど。③児がゆっくりとストレスを加えられないで休める時間を作ってあげる(crastering of care giving)。たとえば,看護ケアやドクターの処置,さらには家族の面会などスケジュールを一定の時間にまとめる調節をして,児にストレスを加えない時間を設ける。④家族,特に母親に児のシグナルの読み方やそれに対する対応の仕方を教え,NIDCAPに参加してもらうとともに,情緒的な安心を与える(familyoriented care)。
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