新生児呼吸管理の最近の進歩Ⅰ

連載にあたって

　筆者はかつて，本誌において2度にわたって新生児ケアの基本的な内容についての連載を行ない，それが核となって，多くの人にピンク本の名前で親しまれている「新生児学入門」の本ができた。

　今回の新しいシリーズでは，What's new in neonatal care？（今，新生児ケアにおいて何が新しいのか）という関心を読者に高めていただけるよう，この10年ほどの間に新生児医療の現場において大きな変化が見られた中で，特にトピックスとなるものを取り上げる企画とした。もちろん新生児医療とケアにおける基本的な原則は変わらないが，実際に患児のケアに携わる看護職にとって，日々変化していく新生児医療の中で，そのすべてが必ずしも進歩とは言えないことが残念ではあるが，なぜ，そして，どのように変化しているかを知ることは，NICUという極めて高度な医療現場で働く者にとって，各自の専門家としてのレベルを保つために必要な事柄である。