特集 どう考える.硬膜外麻酔分娩
分娩中に使われる硬膜外麻酔剤の母子への影響
ドリス・ヘア
1
,
戸田 律子
2
Doris Haire
1
1アメリカ母子保健基金
2JACE日本出産教育協会
pp.852-855
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902499
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アメリカ母子保健基金の代表として,私はこれまで,68か国のマタニティケアを視察する機会に恵まれました。アメリカほど,お産の正常な生理がゆがめられてきた国はないと言わなければならないことに,胸の痛みを感じます。
アメリカでは,子どもの学習障害が恥ずかしいほどに高率ですが,産科で使われる薬剤(子宮収縮剤,子宮頸部熟化剤,鎮痛・麻薬剤)が,大きく関わっているのではないかと懸念されています1)。アメリカの子どもは全体的に,特に,理解力と演繹力が必要な数学,科学などの学力が,他の多くの工業国に比べて劣っています。マタニティケアの先端医療技術のために何億円も使っている一方で,アメリカの学校では,学習障害児を指導する特別な訓練を受けた先生による,特殊教育でなければ学べない子どもたちが溢れているのです4)。
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