今月のニュース診断
「健康」「予防」概念の功罪
斎藤 有紀子
1
1北里大学医学部医学原論研究部門 法哲学・生命倫理
pp.832-833
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902495
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健康づくりへの取組み
熊本県蘇陽町の健康づくりが話題になっている。「健康づくりに関心のない男性」を地域のリーダーに選び出し,「健康むら長」として,健診受診を呼びかけてもらったり,健康意識を高める学習会のアイディアを出してもらうというもの。制度ができて10年あまり。健診受診率は97%になり,「適度な飲酒」をする人は24%から90%に,非喫煙者は71%から82%に,65歳以下で死亡する人は22%から16%になったという。全国で増加傾向にある老人医療費も,蘇陽町では10年以上にわたりほとんど増えていない。「むら長」自身の自覚も高まり,保健婦の指導を受けるなどして,高血圧・高コレステロール値を正常に戻した人もいるという(朝日新聞8月24日「健康無関心派が変身:健診受診率97%」)。
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