特集 どう援助していますか.外国人妊産婦
愛育病院における外国人の出産—10年の試行錯誤を振り返って
小野 紀子
1
1母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
pp.689-695
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902465
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はじめに
妊娠・出産・育児は,自国の日本人にとっても容易なことではない。ましてや異国,異文化の中では,大きな不安を伴う大変な作業となる。不安な中で,外国人が接する医療現場の看護者は,彼らにとって重要な他者であり,日本という国の印象を決定づけるような存在である。まずそのことを専門職として意識しなければならない。
外国人の出産だからといって医学的管理上は,日本人の場合と何ら変わることはない。しかし実際に外国人妊産婦を迎えてみると,当初は考えもつかなかった細かい問題も含めて,様々な困難に直面している現実がある。
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