特集 DVは女性の健康問題である
病院におけるDVの認識・経験—実態調査から見えてきたもの
友田 尋子
1
,
誉田 貴子
1
,
明石 知子
2
,
荻田 幸雄
3
1大阪市立大学看護短期大学部
2大阪厚生年金病院
3大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.579-585
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902442
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DVの特徴—パワーとコントロールの車輪
DVとは親密な関係にある男性から女性に対する暴力と定義されているが,暴力の内容は身体的暴力だけを指すのではない。たとえば,性的暴力,心理的暴力,経済的暴力,社会的暴力など被害者自身への暴力だけではなく,被害者の子どもやペットへの虐待による脅しなど様々な場面での,様々な形態による暴力も指す。また,暴力の種類は単独ではなく,いくつかの暴力が複合されて行なわれる場合が多い。
この様子をわかりやすく説明しているのが,アメリカ,ミネソタ州・ドゥルース市の市民グループが作った「パワーとコントロールの車輪」である(図1)。この車輪の図は,外輪にあたる部分が身体的暴力であり,誰の目にも見えやすい。車輪の内部は心理的暴力,性的暴力,経済的暴力など非身体的暴力であり,他人の目にはわかりにくい。
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