連載 助産婦のための疫学入門・6
質的方法を用いた研究:Qualitative Research—数字の持つ意味を超えて
三砂 ちづる
1,2
1国際協力事業団(JICA)ブラジル家族計画母子保健プロジェクト
2ロンドン大学衛生熱帯医学校母子疫学ユニット
pp.537-541
発行日 2000年6月25日
Published Date 2000/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902431
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量的方法と質的方法
今までの連載で,疫学とは何か,主な研究デザイン,代表的なターミノロジーを中心とした疫学論文の読み方を見てきました。今回は少し趣向を変えて,数字を超える意味を持つ調査について考えてみたいと思います。
調査研究には量的方法(quantitative methods)を用いたものと質的な方法を用いたもの(qualitative methods)があります。もちろん疫学は量的方法を代表する調査方法で,EBM(evidencebased medicine—証拠に基づく医学)の理論的根拠であるということは,今まで説明してきたとおりです。数字を使って,できるかぎりありのままの状況をうつしだそうとするのが,いままでの疫学の目標でした。
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