特別寄稿
小さな「お産の家」で,私たちがめざすもの
大野 明子
1
1お産の家明日香医院
pp.151-156
発行日 2000年2月25日
Published Date 2000/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902349
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はじめに
医師になって7年目。2年前に自宅出産の介助を専門として開業した。そして今夏(雑誌が出る頃には昨夏となっているけれど),ようやく小さな「お産の家」が完成し,入院のお産も始めたところである。
私たちの「お産の家」は,東京の杉並区高井戸にある。緑に恵まれ,木立の中に建つ木造2階建ての小さな家である。1階部分が産院で,外来,リビング・ルームのほか,分娩室と2つの入院室がある。どの部屋からも窓の外に緑があふれる。私たちの家には,分娩台や手術室はない。産む人と生まれくるいのちの力を信じ,あたりまえの手つかずのお産と子育てを援助すべく,相棒の助産婦,戸井口晃子さんとふたり,少ない数のお産をていねいにお世話している。
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