インターホン
私の小さな思いつき
青柳 かくい
pp.44-45
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202830
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皆さま分娩時児頭が下降して尿導が極度に圧迫されたとき導尿することの困難を感じたことはありませんか.私は常に導尿には7号のネラトン・カテーテルを用い,挿入に困難の場合は,5号あるいは3号を用いておりますが,その日は3号のカテーテルが見あたらず,ちょっとした思いつきで目的を達することが出来ましたので,報告させていただきます.
去る7月9日午後6時からのある会合に出席の依頼を受けておりましたところ,8日より入院していた産婦の分娩が全開大でありながら,遅々として進まず,困っていました.予定の組まれている会合のこととて欠席することもならず,属託医の先生にお頼みして出席することにいたしました.幸いに私どもでは嫁も娘も皆お産の取扱いに熟練しておりますので,心配はないのですが,排臨間ぢかにその場を離れることの心苦しさは誰でもが同感するところでしょう.6時開会で,8時分30までの2時間半にわたる座談会でしたが,上手な司会につられて夢中で過ごしてしまいました.司会者の閉会の言葉にはっとして家に電話したところ,努責をすると頭髪がほんの少々見えるようになったが,心音も強聴だしまだまだ大丈夫ですとの返事で,胸を撫でおろし,家路についたのでした.ここでちよっと産婦の状態と経過を述べてみましょう.
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