今月のニュース診断
“集団”に対する医学研究とインフォームド・コンセント
斎藤 有紀子
1
1明治大学法学部法哲学・生命倫理
pp.6-7
発行日 2000年1月25日
Published Date 2000/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902318
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集団検診で遺伝子保存
10月18日,国立循環器病センター倫理委員会(大阪府吹田市)は,生活習慣病と遺伝子の関係を調べるために,集団検診受診者の血液を採取して遺伝子を保存することを承認した。
具体的には,同センターが吹田市で続けている集団検診受診者を対象に,①本人に十分な説明をしたうえで同意を得る,②受診者はいつでも同意を撤回できる,③採取した検体は個人名を切り離して保存する,などの基準を設け,高血圧など生活習慣病に遺伝子がどう関わっているかの研究をするという。研究は早ければ来年初めから開始され,受診者7,200人のうち,約5,000人分の遺伝子蓄積が目指されているという(朝日99年10月19日「遺伝子の保存を承認:国循センター倫理委員会,検診受診者から」)。
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