特集 EBMにもとづく周産期ケア
最近の早期産研究の方向性とEvidence-Based Medicine
古谷 健一
1
,
村上 充剛
1
,
徳岡 晋
1
,
後藤 友子
1
,
伊香 加納子
1
,
水本 賀文
1
,
牧村 紀子
1
,
永田 一郎
1
1防衛医科大学校産科婦人科
pp.1047-1052
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902303
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はじめに
今日,早期産(早産)は新生児の周産期合併症や死亡において最も重要な因子の一つとされている。多くの周産期統計では,先天異常のない新生児死亡の約70%は出生児の未熟性に起因すると報告されているが,早産の原因には未だ不明の点が多い。また米国では妊娠37週未満の分娩率は9.3%(1970年),10.1%(1987年),10.9%(1993年)と徐々に増加傾向にあり,特に新生児管理は医療費高額化の原因ともなることから,早産のメカニズムや治療法の選択に関する研究が求められている1)。一方,最近“証拠にもとづく医療(Evidence-Based Medicine:EBM)”について関心が高まり,今後の医療は統計学的に信頼できるデータをもとに実践すべきであるという考え方が普及しつつある2)。
そうした最近の周産期医療に関して,著者らは早産をEBMの観点から見直す試みの一つとして,最近の早産研究がどこに視点を置いているのかを客観的に把握することが重要と考えている。
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