Medical Scope
これからの妊娠性高血圧(妊娠中毒症)の治療
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.1105
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902313
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妊娠性高血圧,いわゆる妊娠中毒症の発症原因についての新しい考え方を,いつか皆さんにお話したことがあります。
覚えておいでの方もあると思いますが,血液中といっても細い毛細血管のなかを流れる母体血に小血栓ができてしまい,血管の内皮細胞を痛めて血管を拡張させる働きをするプロスタグランディンの合成を阻害したり,逆に血管をれん縮する物質を産生させてしまったり,大きくなった妊娠子宮が後腹膜にある腹部交感神経節を圧迫して同じような作用から発症するのだというのがその要旨でした。
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