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特集 証拠にもとづく助産ケア
助産婦として『妊娠・出産ケアガイド』の執筆に携わって
A Guide to Effective Care in Pregnancy & Childbirth
メアリ・J・レンフルー
1
,
松浦 志保
Mary J Renfrew
1
1リーズ大学助産学科
1University of Leeds The School of Healthcare Studies Division of Midwifery
pp.284-286
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901910
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あなたは,あなたが産婦に提供するケアをなぜ行なうのか,ということをお考えになったことがあるでしょうか?あなたが産婦に与える情報は正しいものであるといえるか,立ち止まって考えたことがおありでしょうか?あなたは分娩時の体位,会陰裂傷の回避,分娩第三期の処置における意思決定は正しいと自信がありますか?私たちの多くは,当時は指標となる証拠がなく,あたりまえのことと思っていた,たくさんのルティーンの実践が不要なものだと明らかになる以前に,助産学や母性看護を教わりました。そのため,常に可能な限り女性に最善のケアを提供する,ということは難しいことです。
助産婦が直面する難題のひとつひとつや,産科医・助産婦の行なうケアに,最善のケアの形態を決定する最新の情報が含まれているのです。それらの決定を伝える研究を利用することは容易であるとは限りません。公表されている研究は互いに対立しているでしょうし,この分野での大量の研究を維持していくことはほとんど不可能なことです。例えば,母乳栄養,妊娠中のケア,分娩時のケアについて,一番よい方法は何かを知ることは結果として難しいといえることになります。女性は相反するアドバイスを受け,様々な専門家から,異なった意見を聞かされることになってしまうのです。そのため女性たちにとって,彼女たちが受けるケアを真のインフォームド・チョイスによって選ぶということが困難になっています。
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