クローズ・アップ
—「A Guide to Effective Care in Pregnancy & Childbirth」の改訂に携わった英国の助産婦—メアリ・レンフルーさん
pp.265
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901904
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世界の医療はこの10年,Evidence Based Medicine(EBM,証拠にもとづく医療)を目ざすようになってきた。その方向性に拍車をかけたのが英国で編纂された「Effective Care in Pregnancy & Childbirth」(1989年)の登場である。本書はチャルマーズ(英国),エンキン(カナダ),キアース(オランダ)の3人の産婦人科医が長年多大なエネルギーを費やし,臨床疫学的原理にのっとって283の産科医療行為の有効性を評価したものである。出版以後,産科ばかりでなく臨床医学全般に大きな影響を与えてきた。
しかし本書はあまりに大部で多くの人が利用しづらかったため,エッセンスを集めたコンパクト版「A Guide to Effective Care in Pregnancy & Childbirth」がほぼ同時に編集され,ヨーロッパでは産科ケアに携わる者の必携書となった。5年以上たった1995年改訂がなされたが,初めて助産婦が編集に参加した。メアリ・レンフルー教授(リーズ大学,英国)である。レンフルー教授は助産分野の専門研究者であり,実績を買われてのことである。第2版は邦訳され先頃出版されたが(『妊娠・出産ケアガイド』医学書院MYW刊),レンフルー教授は邦訳を大変喜び,本書の活用を強く望まれている。
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