今月のニュース診断
DNA親子鑑定と家族
斎藤 有紀子
1
1明治大学法学部(法哲学・生命倫理)
pp.90-91
発行日 1998年2月25日
Published Date 1998/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901871
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最近の判例
「大分地裁の父子鑑定:DNAより生活実態を優先」(毎日新聞97年11月30日)。
大分県内の47歳の男性が,26歳の長男を相手に「父子関係不存在の確認」を求めていた訴訟で,裁判所は,「性行為によって卵子が受精したという事実より,その後の父子としての営みとしての事実のほうがはるかに価値が高い」(前掲毎日新聞),「長男は実の父親と何ら疑いを抱くことなく成長したのであって,両親の争いで不利益を受けなければならない事情は認められない。法律上の父子関係は存在する」(読売新聞97年11月18日)と,結果的にDNA鑑定と異なる判決を出した。
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