特集 産痛の解明とケア
ソフロロジー法の効果
岡村 博行
1
1岡村産婦人科医院
pp.770-773
発行日 1997年9月25日
Published Date 1997/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901780
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ソフロロジー法の誕生
1960年スペインのアルフォンソ・カイセドー(Alfonso Caycedo)博士によって創案されたソフロロジー法は,意識の変化を研究し,心と身体の安定調和を得るための方法を学ぶものです。西洋風のリラックス法であるジェイコブソン(Jacobson)のProgressive relaxsation(段階性弛緩法)やシュルツ(Schultz)のautogenic training(自律訓練法)と東洋古来のリラックス法の禅やヨガを巧みに組みあわせて考案された積極的リラックス法を柱とするこのソフロロジー法を最初にお産に応用したのは,1976年フランスのJeanne Creff博士を嚆矢とします。
一方わが国にソフロロジー法を紹介し,最初に臨床応用したのは熊本の松永博士で,1987年のことでした。しかし,その訳書「ソフロロジー式分娩教育」(E. Raoul著1))がいささか難解なこともあって,わが国におけるその普及は遅々たるものでした。しかし,ソフロロジー法が「母性の確立」という現代的な基本理念を有すること,イメージトレーニングの初めてのお産への応用,母乳育児との相性のよさ,優れた和痛効果などのユニークな特徴が知られるにつれて,近年急激に多くの産科医療関係者の関心を呼ぶようになりました。
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