今月の臨床 分娩の多様化とリスク管理
分娩様式とリスク管理
6.和痛分娩—ソフロロジー法,ラマーズ法
宮川 勇生
1
1大分医科大学産科婦人科学教室
pp.1443-1445
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904798
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はじめに
文明の進歩によって社会が変化すると,事象に対する考え方,価値観は多様化する.分娩に対する妊・産婦の意識も同じように複雑となり,さまざまな分娩様式の選択が生まれる.妊娠・分娩には新しい生命の誕生への期待とともに不安や恐怖が交錯する.ことに分娩においては,分娩経過とともに増強する陣痛が恐怖となり,またこの恐怖で自己統制ができなくなると,すべてを「分娩の痛み(産痛)」として表現する.気分を落ち着かせるような何らかの自己統制法を用いて,妊娠・分娩・産褥における不安,恐怖,そして産痛を上手に乗り切っていくための教育法,なかでも分娩時のリラクゼーションと和痛の工夫を中心とした教育が和痛分娩法と考えられる.これまで,和痛を目的としたいくつかの分娩法が知られているが,あまりにも和痛を中心に分娩の進行を図ると,リスク管理がなおざりになる.
ここでは,和痛分娩法として良く知られているソフロロジー(式分娩)法,ラマーズ(式分娩)法のリスク管理について述べる.
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