今月の臨床 着床--今日の焦点
着床のホルモン環境
林 要
1
,
岡村 博行
1
,
武木田 博佑
1
,
谷 立夫
1
,
高野 申五
2
Kaname Hayashi
1
,
Shingo Takano
2
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
2兵庫県ガンセンター
pp.829-840
発行日 1968年10月10日
Published Date 1968/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203941
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I.はじめに
子宮内膜は,正常のembryogenesis形成を前提条件とする場合に限り,個体中最適の胚受容組織と言えるのであつて,着床を単に周囲組織へのtro-phoblastic invasionと言うレベルから眺めた場合,内膜は胚の最もhostileな親織の一つとすら見倣されるのである。
すなわち,妊卵の内膜着床は前者と後者の成熟が同調(synchronize)するという厳しいcriticalな条件を満足する必要があり,McLaren,Michie(1956,マウス),Noyesら(1960,1962,白鼠)の胚移植実験によると,内膜より卵が若いと移植率は著るしく不良となり,例えば妊娠第5日目内膜に4日目胚を移植すると卵は直ちに変性する。
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