特集 母乳トラブルの解決
母乳分泌に効果的な肩こりマッサージ
永田 華千代
1
,
瓦林 達比古
2
1永田助産院
2福岡大学医学部産婦人科
pp.478-483
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901492
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はじめに
妊産婦はだれでもわが子を母乳で育てたいと考え,母乳が十分に出ることを望むが,実際には母乳が出過ぎる人から全く出ない人までさまざまである。私たちはすべての褥婦が母乳哺育に必要かつ十分な母乳分泌量を得ることができないものかと効果的な方法を考え,模索してきた。
母乳分泌には射乳反射の影響を考慮する必要があり,基本的な乳汁分泌の開始および維持には,乳汁産生に関与するプロラクチンと,射乳を促進するオキシトシンの分泌を調節する視床下部—下垂体系が正常であることが不可欠である。母乳分泌量の個人的な格差は,これらの生理機序を前提として,下垂体から乳頭まで達している,血管,神経,リンパ管の3つの調節経路の障害の程度に原因があるのではないかと考えられる。この3つの調節経路の障害は「肩こり」という症状で現れる。
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