連載 りれー随筆・139
見つめる鍋は煮えない
山本 詩子
1
1山本助産院
pp.256-257
発行日 1996年3月25日
Published Date 1996/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901441
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マタニティーブルー
私は12歳の長男,9歳の次男,5歳の三男の母親である。子どもは同じ親が生み育てているのに三人三様実に個性的で楽しませてくれる。
思いおこせば,長男の子育ては大変であった。おっぱいをうまく吸えない,飲む量が少ない,乳頭亀裂の激痛に会陰の疼痛,後陣痛,不眠,などなど。夜泣きに悩まされ,連日夜勤明け気分を味わった。ポーッとしながらも自分の中で刻々と変化してゆく様子を学びとしてとらえていたものだった。「なるほど,これがお産か」と,妙に納得していた。
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