研究・調査・報告
成熟新生児の出生直後の体温管理—鼓膜型深部体温計(Fテンプ)を使用して
田辺 圭子
1
,
西尾 直子
1
,
堺 武男
2
1東北大学医学部附属病院周産母子センター
2東北大学医学部附属病院小児科
pp.871-873
発行日 1995年10月25日
Published Date 1995/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901342
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はじめに
出生直後の新生児ケアの際に重要な事項のひとつは,呼吸開始の援助とともに,体温の下降をできる限り最小限に留めることである。しかし,これまで日常的になされてきた出生直後の児に対する処置は,母親や医療従事者に適した温度下で,羊水で濡れたままの分娩台の上で行なわれていたのが現状である。出生した児をそのまま放置した場合,児の体温は低下の一途をたどることになる1)。
誕生という一大試練を終え,胎外環境に出てきたばかりの新生児が,低体温による悪循環で状態が悪化するのはたとえ成熟児であっても未熟児と同様である。これを極力防ぐことは周産期医療従事者にとって重要な課題である。
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