研究・調査・報告
10代の出産者への退院指導—家庭訪問を通して指導のありかたをふり返る
山崎 加代
,
渋谷 実千代
,
後藤 真理子
,
本多 やよい
,
遠藤 泰子
,
原田 由美子
,
小塚 みき
,
加藤 加津子
,
長沢 美香
,
石井 奈穂子
pp.694-697
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901306
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はじめに
近年,女性の高学歴化や働く女性の増加,意識の変化に伴い結婚年齢も遅くなっている。平均初産年齢についてみてみると平成3年では25.9歳と報告されている。
しかし,一方では10代の出産も増えてきている。昭和61年度全国統計をみると,全出生数に占める10代の出産数は1.3%に上り,上昇傾向にある。当院においても,過去5年間の10代出産者の数は,昭和62年度は0.6%だったものが,平成4年は7月までですでに2.34%に増加している(表1)。日常業務の中で10代出産者の援助に携わる際の基本的みかたは,身体的には女性としての機能をもっていても,心理的・社会的には思春期にあり,まだ不安定な時期ととらえている。そして「親としての自覚をもち,子どもが健やかに育つよう」集団指導および個別指導を行なってきた。短い入院期間の中で,親としての役割向上に向けて援助してきたことが,実際に役立っているのか現状を把握するため,退院後,家庭訪問を行なった。その結果,育児の問題・家族計画の問題・経済的な問題などが共通してとらえられた。
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