特集 新しい時代を見すえた分娩実習
岡山労災病院における新人助産婦の現任教育
渡辺 延子
1
,
藤本 政子
1
1岡山労災病院産婦人科病棟
pp.222-228
発行日 1995年3月25日
Published Date 1995/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901209
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
看護教育カリキュラムが改訂されて,満5年がたとうとしている。看護基礎教育の中で,看護判断・応用・問題解決能力などの学習を深めて卒業してきた新卒業者(4月1日付で採用になった学校出の卒業生,以下新卒)は患者を受け持ったいい時期から,患者の状態把握や,苦痛を理解して,看護実践ができるようになったと,一部の臨床側から評価を受けている。
しかし,新カリキュラムでは,実習時間が従来の1770時間から,1035時間と減少し,実務能力の修得にはあまり重点を置いていない。卒業時の看護婦の有する業務遂行能力は極めて乏しい。看護基礎教育終了後引きつづいて,助産婦学校に進学した新卒助産婦学生では,周産期看護実務能力が,必然的に量質ともに変化してきていて,それは資格をとった新人助産婦でも,例外ではない。新人の助産婦,看護婦がそれまで歩んできたプロセスでは生活技術が以前に比べ大きく変化し,臨床の期待する能力を新人は獲得しておらずギャップは大きい。そのギャップを取り除き,新卒者自らが主体的に学習しつづける意欲・能力を育成することが,われわれ先輩の役割と考える。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.