特集 救急搬送とケア
搬送対象者へのアンケート調査から考える
2.搬送を依頼する施設の立場からみる心理的看護の重要性
住田 典子
1
,
金田 圭子
1
,
村田 紋子
1
1大阪市立北市民病院産婦人科病棟
pp.105-111
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901185
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はじめに
大阪市立北市民病院では,大阪市による市民病院の体系的整備によって,1992年9月から未熟児病棟が閉鎖され,新生児搬送,母体搬送を依頼せざるを得なくなった。1992年9月から1994年8月までの総分娩件数は882件であり,この間に新生児搬送19例,母体搬送6例を依頼した。
大阪府下では周産期救急医療システムが整いつつあるが,児の救命率の向上が妊娠早期の母体搬送の増加をもたらし,それに伴う母児の入院期間の長期化と相まって母体搬送の受け入れ率の低下を招いている。依頼する立場の当科でも,緊急母体搬送を要する症例の受け入れ先がなかなか見つからないケースが少なからずあった。また,新生児搬送では,搬送後児の情報が十分得られないために,母親へのアプローチに支障をきたすことが多い。
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