特集 助産婦教育
助産婦教育到達目標—全国助産婦学校協議会助産婦教育制度委員会・小委員会報告
近藤 潤子
1
,
竹内 美恵子
2
,
平沢 美恵子
3
,
三井 政子
4
,
石井 トク
5
,
内山 和美
6
,
岡部 佐千子
7
,
小木曽 みよ子
8
,
川原 淳子
9
,
佐々木 敦子
10
,
島尻 貞子
11
,
内藤 洋子
12
1聖路加看護大学
2徳島大学医学部附属助産婦学校
3日本赤十字社助産婦学校
4京都大学医療技術短期大学部
5千葉大学看護学部
6聖隷学園浜松衛生短期大学
7徳島県立看護専門学校保健婦助産婦科
8名古屋大学医療技術短期大学部
9大阪市立助産婦学院
10信州大学医療技術短期大学部
11琉球大学医学部保健学科
12国立仙台病院附属看護助産学校助産婦科
pp.791-820
発行日 1986年12月25日
Published Date 1986/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908301
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まえがき
現在のわが国の母子保健の水準は,統計でみる限り世界の国々に比べてなんら遜色はない.母子の生命の安全をはかることが何にもまして優先することは今も昔も変わっていない.しかし,それが母子保健の目標のすべてではない.単に‘生きている’だけでなく,‘よりよく生きていく’すなわち生きることの質に対する関心が高まっている.
人間には自然に組み込まれた構造やその制御システムが精巧に作られている.特に女性の妊産褥期にみられる生殖の機能の巧妙さは見事である.この機能は,準備教育や援助によって自然をより有効に作用させることができるが,この機能の過程に対する医原的介入が心身両面にみすごすことができないいくつかの弊害をもたらしている.これに対する反省から欧米で自然回帰の傾向が強まり,わが国でもこの点が改めて見直され,助産婦の存在の意義が問い直されている.
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