Japanese
English
特別寄稿
出産は病気ではない
Birth is not an illness
ターナー 節子
pp.678-681
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901082
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
WHOが出した“出産時の適切な技術”
今から9年も前の1985年4月にWHO(日本はその加盟国の1つ)から「出産における適切な(医療)技術—Appropriate Technology for Birth」*というタイトルで,約15項目の勧告が発表された1)。それらは,分娩入院時の浣腸,剃毛不必要から始まり,人工破膜のルーチン不正当化,病院スタッフの都合にあわせた分娩誘発禁止,分娩中の監視装置つけっぱなしの中止,分娩時の体位の工夫,会陰切開のルーチン実施中止,母子同室制の助長などである。
これらの項目の基本に通じる点は,妊娠・出産は生理現象であるということである。すべての医療介入は,各国それぞれで,小グループの先導試験を実施し,その評価で,“産婦”に最良の効ありと判断された時にのみ,広く臨床で実施されるべきであるとしている。そしてそれ以上に,すべてのケアは一人一人の産婦を中心にして,医療介入は産婦の意見を重んじてなされるべきであるとしている。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.