特集 HIV母子感染のケア
HIVキャリアの妊娠・分娩・産褥のケア
須藤 一美
1
1東京都立大塚病院産婦人科病棟
pp.464-468
発行日 1994年6月25日
Published Date 1994/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901035
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はじめに
WHO(世界保健機関)は,HIV(human immunodeficiency virus)に新たに感染する成人女性は,世界全体で1分間に2人の割合で増えており,今後さらにその感染速度が速まるであろうと報告している。
わが国では,1985年に最初のHIV感染患者が認定され,最近ではHIV感染者およびAIDS患者の数は年々増加している。これに加えて,異性間性行為による女性感染者の増加が目立っている状況から,今後,HIV感染女性の妊娠例が増加するものと予想される。このような現状を考え合わせ,産科医療に従事する助産婦,看護婦としては,いつでもHIV感染者に対応できるように準備しておくことが必要である。また,HIV感染者に対する偏見や差別などの社会的な問題,患者のプライバシーの保護を含め,患者の心理的苦悩に対する精神面での看護援助が強く求められている。
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