研究
妊娠,分娩,産褥と腹痛
末石 和子
1
1公衆衞生院看護教員養成学科(助産)
pp.12-14
発行日 1958年5月1日
Published Date 1958/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201465
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
妊娠,分娩,産褥を通じて,腹部に疼痛様の感じのあるものは,生理的には,妊娠中の胎動自覚(これは疼痛とまではゆかぬが),分娩中の陣痛発作と,産褥中の後陣痛がある.又妊娠,分娩,産褥経過中に,疼痛のある異常を伴う事も度々あるが,生理的なものを,異常と誤認したり,異常を生理的と見做したりして,診断を誤り,時期を逸し,誤つた処置を行つて,予後不良ならしめる事もある.助産婦として大切な事は,生理的な疼痛の臨床症状をしつかり把握して,疼痛緩和の技術を良く心得ておく事と,生理的以外の疼痛に対する知識をもち,早期に医治を乞わしめ,医師と協力して看護に当る事である.そこで妊娠,分娩,産褥経過中に起る腹痛にはどの様なものがあるか,それ等に対してどうあらねばならないか,又,生理的腹痛を緩和する方法等についてまとめてみた.
妊娠,分娩,産褥時の腹痛は,色々な分け方が出来ると思うが,次の様に分類してみた.
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.