特集 妊娠高血圧の理解とケア
「高血圧症」を妊婦にいかに理解させることができるか
今野 静
1
,
七海 順子
1
,
亀岡 康子
1
,
半澤 ハル子
1
,
渡辺 ヨシ子
1
1福島県立医科大学附属病院産科病棟
pp.375-381
発行日 1994年5月25日
Published Date 1994/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901016
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はじめに
妊娠中には高血圧をともなうことが多く,妊婦の約10%に高血圧が発症するといわれている。高血圧は妊娠という生理機能の変化によっておこることが多いが,その他にも社会状況の変化,生活環境の変化,食生活の多様化などさまざまな要因が考えられる。その原因の如何を問わず,妊娠中に高血圧を併発すると,母体ならびに胎児は危険にさらされることになる。そこで高血圧をともなうハイリスク妊婦に対する生活指導は助産婦の重要な業務の一つになっている。
一般的に妊婦の高血圧症に対する管理は,塩分の制限,体重のコントロールを主とした食事療法,さらには十分な休養をとることなどが中心となっている。これらの指導にあたっては,ただ単に知識を与えるだけの指導では妊婦に十分理解させることは難しい。
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