MEDICAL SCOPE
双胎をめぐる新しい話題(1)
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.508
発行日 1993年6月25日
Published Date 1993/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900824
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第11回の日本周産期学会が,1月23日に埼玉医科大学総合医療センター小児科小川雄之亮教授の会長で開催されました。今年のテーマは「双胎」が中心で,「多胎をめぐる諸問題」というものなので,多くの医師や助産婦の出席があり,非常に盛会でした。その際に私がメモに書きとめたいくつかのポイントをのべていこうと思います。
一般的にいって予後のよい双胎,つまり早産もおこさず,妊娠中毒症にもならず,胎児の成熟度もよく,2児ともよく育つような症例と,予後の悪い双胎,つまり1児が胎児死亡となったり,出生しても未熟児だったり,新生児期に死亡したり,後遺症として脳性麻痺を残すような症例とではどこが違うのでしょうか。以前からいわれているように,一絨毛膜双胎は二絨毛膜双胎よりも予後が悪いといわれていますが,この他に,羊水過多を伴った双胎,2児の体重差の大きい双胎,胎児水腫になった双胎などが,いずれも同じように予後が悪いことがわかりました。
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