連載 産科免疫学十二話・13
妊娠中毒症と免疫
梅咲 直彦
1
1大阪市立大学医学部産婦人科
pp.416-422
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900804
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はじめに
本シリーズ「産科免疫学十二話」は先月で終わるはずでした。しかし,今までに,産科の合併症の中で最も重要な妊娠中毒症と免疫の関連が取り上げられていないことに気づかれた読者もいるでしょう。いつか取り上げようと考えつつ,ついにここまできてしまいました。しかし本疾患が欠けているとシリーズとして完成しないと考え,編集者の許しをいただき,本シリーズをあと3回延長することにしました。
さて妊娠中毒症(Toxemia)は,妊娠中に高血圧,浮腫,蛋白尿を引き起こす病気です。重症になると胎盤機能不全をきたし,胎児発育不全や子宮内胎児死亡の原因になるとともに,胎盤早期剥離,さらには子癇発作を起こし,妊婦の死亡にもつながる重篤な合併症です。
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