ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 妊娠中毒症
Topics
妊娠中毒症と免疫複合体
近藤 泰正
1
,
八木 謙
1
,
山本 樹生
1
,
今井 一夫
1
,
早川 智
1
,
高木 繁夫
1
Yasumasa Kondo
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.878-885
発行日 1985年11月10日
Published Date 1985/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207282
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妊孕現象に対する免疫学的考察は,最近の免疫生物学の進歩とともに急速に展開をしつつある1〜6)。さらに,異常妊娠7,8),特に妊娠中毒症に対するそれについても近年多くの報告をみるが9〜13),本症は,古来学説の疾患とされるごとく,いまだその概念,定義すら確立されがたい状態にある。一方,免疫複合体は各種疾患の原因として,それらの病態解明に重視されており14,15),特に内科領域では,これの導入によって疾患の概念さえも変えるに至っている。そこで私どもは妊娠中毒症の病態を解明する目的で,本症に対する免疫学的考察を試み,特に免疫複合体が本症の原因論として,また結果論としての関与の可能性の有無を検討しており,今回は私どもの教室の知見を含めて,以下さらに若干の検討と解説とを試みる。
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