特集 「母性」を心理学からとらえる
助産婦と「母性心理」
宮 ひとみ
1
1前:名古屋市立中央看護専門学校
pp.211-215
発行日 1992年3月25日
Published Date 1992/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900526
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母性心理の理解とは
1990(平成2)年度から助産婦教育も新カリキュラムに変わり,「母性の心理・社会学」という科目が加わった。母性は母と子の二者間の関係だけで存在するものではないという理解は一般化しているが,夫婦関係や家族関係を背景として複雑な関連の下で存在しており,さらに地域や社会の影響も受けている。そしてその姿は社会状況,家族形態が変化するたびに,形を変え続けており,しかもその変化は速い。その変化に対応するため助産婦は母性の姿を正しく把握する能力がより重要となってきている。したがって,今回のカリキュラム改正は,助産行為に必要な母性に関する心理学や社会学の知識を系統的に学び,その能力を強化していくことをねらいとしている。
科目の内容としては,個人・家族ライフサイクルとの関係や発達課題,性役割の形成,性行動,マタニティサイクルに特徴的な心理等が盛りこまれている。
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