母性保健特集 1.その総論
助産婦の立場からみた母性保健
伊藤 隆子
1
1厚生省
pp.20-22
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202485
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
従来家庭において,多くの家族にとりまかれながら行なわれていた分娩が,医療設備が整い,ゆきとどいた専門家の観察のもとに行なわれるようになってきた傾向は,母性保健の立場からみても誠に喜ぶべきことであります.
しかし,わが国の現状では,一般の人達,特に妊婦やその家族が,正しい医学的見地にもとずいて分娩の場所を選定しているというよりはむしろ住居が狭いため分娩する室がとれないこと,人手不足や家族間の人間関係などで施設分娩を選ぶようになり,その頻度が急速に増加して,施設の整備がこれに伴なわない状態で,このままの姿が,果して母親や新生児のためにもっとも良いとは残念ながらいいえないのではないでしょうか.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.