連載 新生児学基礎講座[臨床編]・14
母体糖尿病児の管理
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学・母子総合医療センター新生児部門
pp.535-541
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900118
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1.はじめに
糖尿病母体から生まれた新生児(infant ofdiabetic mother, IDM)は,トマトベビー(顔が丸く,赤ら顔であるところからそう呼ばれる。図1)に代表されるような特徴的な身体所見のみならず,低血糖や低力ルシウム血症などの生化学的な異常,また心奇形を含めた奇形などを高頻度で伴うところから,ハイリスク児として広く知られている。それゆえ,たとえ出生時の状態が良好であっても,ある一定期間の観察と,血糖やヘマトクリット値などのルティーンの検査を必要とする。糖尿病母体とその児は,内科,産科,小児科(新生児科)の三者により,母体糖尿病の内科的コントロール,妊娠・分娩時の母体・胎児管理,並びに出生後の新生児の管理と,各専門分野の密接な連携のもと管理が行なわれることが不可欠である。東京女子医大においては,糖尿病センターと母子センターが,これらのハイリスクの母児の管理において綿密な情報交換とチームプレーを行ない,これまでにきわめてよい結果を得ている。
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