特集 妊娠中毒症—最近の考え方
大田原赤十字病院における妊娠中毒症の看護—食事指導を中心に
上杉 みつえ
1
,
高橋 美知子
1
1大田原赤十字病院産科病棟
pp.502-508
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900114
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はじめに
当院の所在地である栃木県は,関東平野の最北部に位置し,昭和62年都道府県別にみた死亡率では,脳血管疾患において全国的にも高率を示している。その傾向は当院においても例外ではない。これらの原因として,当院の周辺は農村地帯であり,第1次産業中心の生活であるため,過重労働の人々が多く,食生活においても塩分摂取量が多くなっているためと思われる。
これらの生活習慣は妊娠にもよい影響を与えていない。妊娠中毒症の発症率において,全国平均10%であるのに対し,当院においては17%と現在もなお高率を示している。そこで,従来漠然と[減塩,安静」とだけ説明していた食事指導を再検討し,昭和62年より,リスクがある妊婦に対し外来からの受け持ち制を導入したのと同時に,中毒症の食事指導に客観性をもたせるために,信州大学産婦人科教室が作製した中毒症の分類とgestosis index妊娠中毒症スコア(以後,中毒症スコアとする,表)を用いた食事指導を試みた。その結果,効果が得られたので,ここに紹介し,皆様からのご意見をいただければ幸いである。
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