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小田原市は神奈川県西部の西湘地区に属している人口約20万人の市です.当院は1958年6月に開院.当初から2名の産婦人科医が在籍し,助産婦4名,産婦人科病床数10の陣容で分娩も取り扱いしていました.地域住民に信頼される産婦人科づくり,公私医療機関の相互理解と協調をモットーに医療体制の礎が築かれていきました.1970年から4名体制となり,特に産科医療の充実がはかられることになりました.さまざまなスタッフの努力が産科救急小田原方式として結実することになり,1976年前後には全国的にモデルケースとして紹介され,その思想は現在の神奈川県周産期救急医療システムにも受け継がれています.
1985年から現在の病院棟が稼働し,417床の病床のうち産科25床,婦人科20床を占めています.西湘地区の中核病院として産婦人科疾患に関して全領域を取り扱っています.特に周産期医療では妊娠28週以降の早産児,児体重1,000 g以上の低出生体重児にも対応できる6床のNICUを併設しています.地域周産期母子医療センターの認可を受け,小児科とともに西湘地区基幹病院として,地域を中心に県下全域からの周産期救急を受け入れ,その役割を担っています.一方で一般の妊娠も受け入れ,多数の妊娠分娩を取り扱っています.2010年は739件の分娩がありました.自然分娩を基本としていますが,難産症例に対しての積極的な分娩管理も行っています.合併症妊娠も多いため帝王切開分娩も多くなり,162例となりました.産後は母児同室としており,積極的に母乳育児を推進しています.希望があれば夫立ち会い分娩も可能にしています.臍帯血バンクにも協力させてもらっていますが,今年からはエコチルへの対応も始まりました.
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