私と読書
自分を解放し,やわらかな心の大切さを説く—「女性が自分と向きあう本」を読んで
赤木 加津江
1
1三宅医院
pp.164-165
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900035
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今月もまた20,000円の出費である。友人への結婚祝いだ。給料日前の出費はやはり辛い。
最近は結婚祝いの品を買うことが増えてきた。先月は看護学校の同級生,今月は幼ななじみとあいついで結婚していく。自分が結婚適齢期にいることを,寿マークの手紙をもらうたび知らされる。「ウェディングベル」の言葉に少々,あせりを感じているのも事実だ。なぜなら,私にだって人並みに結婚を考えて,4年間も交際している彼がいるからだ。純白のドレスを着てバージンロードを歩く自分を想像し,甘い夢に酔いしれてもみる。しかし,いまひとつ結婚にふみきれない。夫立ち合い出産ではあんなに感激しあっていたのに離婚してしまう人,世間体第一に暮らす家族,子供を産むたびに心に余裕がなくなってしまう母親など,仕事上で知り得た夫婦や女性たちの姿を見ていると,結婚って何かな,生きるって何かなと考えさせられるからだ。
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