特集 避妊指導
産後の家族計画指導—ペッサリー指導を中心に
入内嶋 明美
1
1三楽病院附属助産婦学院
pp.105-112
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900026
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はじめに
わが国で,現在一夫婦が産む子どもの数は2人が定着している。この2人の子どもを30歳までに産み終えているものが殆どである。昭和62年の人口動態統計によれば,20歳から29歳の間に全出生数1,346,658人の64%を出産している。しかし一方,優生保護統計によれば全人工妊娠中絶数486,146件の30%をこの年齢の女性が占めている1)。このことは,望む数の子どもを産むために人工妊娠中絶が行なわれていることをうかがわせる。また30歳以降の,いわゆる産み終えた後の年齢層の人工妊娠中絶も60%を占め,避妊の重要性をあらためて認識させられる。
助産婦が女性の一生を通じての母子保健学的管理を行なうために存在するのであれば,妊娠・分娩・育児を繰り返すはざまで必然的に存在する避妊期間の管理をおろそかにしてはならないはずである。しかし産後の家族計画指導についてみると,妊娠や分娩時の保健指導に比べ,消極的なとりくみになっている。今回は産後のペッサリー指導について述べる。
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