特別寄稿
分娩時におけるβ-エンドルフインの分泌と和痛効果
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産婦人科学
pp.940-944
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207727
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はじめに
分娩時の陣痛は,疼痛を伴って反復する子宮筋の収縮と定義されているが,痛みの程度は個人差が大きい。不安や緊張を伴っていると疼痛が強く,リラックスしていると痛みが軽くなることが知られているが,そのメカニズムについてはわかっていない。
1977年にGuilleminら1)によってウシの下垂体から分離されたエンドルフィンは,Endo(内因性)-morphine(モルヒネ,麻薬の一種)から命名された物質で,アミノ酸31個からなるペプチドである。β-エンドルフィンはモルヒネの受容体に結合し,強力な鎮痛作用を発揮する。
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