今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩
麻酔に頼らない和痛法
5.助産ケアによる和痛の工夫
島田 三恵子
1
,
安達 久美子
1
1浜松医科大学医学部看護学科
pp.1033-1035
発行日 2000年8月10日
Published Date 2000/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904115
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はじめに
産痛緩和は助産ケアの重要な役割の1つである.産痛は産婦にとって苦痛であるばかりでなく,分娩経過にも好ましくない影響を与える.したがって,分娩を安楽に経過し得るよう援助することは安全な分娩に導くことにもなる.特に,薬剤によらない和痛法は産婦や胎児にとってリスクが少なく,身近で実施可能な方法である.これらの方法は産婦の反応を観ながら安楽な方法を経験的に積み上げ伝承されてきたが,近年,産痛緩和方法として有効であることが解明されつつある1).
助産ケアによる産痛緩和の方法には,1)理学的方法,2)情緒支援,3)呼吸法・弛緩法・集中力の訓練などがある.中でも理学的方法は,医療者がその有用性と方法を理解し,積極的に取り入れて普及することは産婦にとって非常に有益である.そこで,本稿では助産ケアで行われている,体位,指圧法などを含む理学的な産痛緩和法について述べる.
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